BABYMETALZONEfrom Japan

『メギツネ』ロケ地を訪ねて・前編

聖地巡礼:阿佐ヶ谷神明宮(東京)──2016年9月19日
『おねだり大作戦』『4の歌』の考察も少々

Guide to "Megitsune" Music Video Location

PILGRIMAGE to Asagaya Shinmeiguu, Tokyo
September 19, 2016


published on 2017/8/7Topic

阿佐ヶ谷神明宮(あさがや しんめいぐう)にやってきました!
ここは、BABYMETALの代表曲のひとつ『メギツネ』のミュージックビデオの撮影地です。

演奏シーンは、この神社の能楽殿(のうがくでん)で撮影されました。

能楽殿: 日本の伝統芸能である能楽を演じるための舞台を備えた建物。一部の神社に設置されている。

 

東京ドームコンサートに合わせて特別公開!

2016年4月にスタートしたBABYMETALの3年目のワールドツアーは、9月19日20日の東京ドームでファイナルを迎えました。この2日間に合わせて、阿佐ヶ谷神明宮で特別公開が行われました。
能楽殿は普段も土日祝日の雨が降っていない日に扉を開けて一般公開されていますが、特に今回は2日間に限り、ビデオ撮影時のBABYMETALのサイン色紙が展示されることになりました。
日本のアイドルがサイン会を開くのはよくあることですが、BABYMETALは2013年9月のインドネシアでのアニメフェスティバルを最後にサイン会は開催していないようです。BABYMETALのサインはレアアイテムなのです。

また今回話題になったのは、ツイッターを通じて神明宮が特別な朱印を用意すると発表したことです。ところが、大勢のファンが詰めかけて十分な対応ができないおそれがあるため、能楽殿とサイン色紙の公開はおこなうものの、特別な朱印は中止すると再ツイートしました。
BABYMETALの東京ドームコンサートの観客動員は1日5万5000人なので、仮に10パーセントが足を運べば約5千人。混乱を避けた、ということでしょう。

以上のような経緯もあって神明宮が注目され、「当日はコンサートの前に、阿佐ヶ谷に聖地巡礼するつもり」といったネット上の書き込みをいくつか目にしました。
私も初日のチケットを入手していたため、「この機会に!」とばかり、9月19日昼頃に阿佐ヶ谷神明宮に足を運んでみました。

朱印: 神社や寺院を参拝したしるしに押してもらう朱色の印影。朱は血の色であり生命の象徴と考えられ、日本では古くから死霊を封じる色、神聖な色として扱われてきた。

聖地巡礼: 宗教上の謂(い)われのある場所や聖地へ旅してお参りすること。Pilgrimage. 日本では近年、アニメの舞台となった場所や、映画の撮影地などを訪問する意味でも使われている。

 

能楽殿

鳥居をくぐって参道を進むと、ありました!ありました! 右手の建物が能楽殿です。
境内にはBABYMETALのTシャツを着たメイト(BABYMETALのファンのこと)や、泊りがけで遠方からやってきたのか大きな荷物を持ったメイトたちがいました。

スマートフォンで能の舞台とサイン色紙を撮影するメイトたち。

まるで御神体を祀(まつ)るようにサイン色紙が置かれています。

「神明宮さま」の文字。そして、SU-METAL、YUIMETAL、MOAMETAL3人のサイン。

つづりが「SUVMETAL」になっていますが、じつはアルファベットのVではなくハートのマークであり「SU♥METAL」と書かれている、という説があります。
日付はありませんが、ビデオ撮影時(2013年前半頃)のサインだそうです。

 

巫女さん

境内の奥にある拝殿です。さらにこの奥に本殿があります。
写真右端の赤い袴(はかま)(スカートのような衣装)の女性は「メギツネ」のコスプレをしたメイト、ではなくて、本物の神社の巫女(みこ)さんです。参拝者のカメラやスマホをあずかって、記念撮影のシャッターを押していました。

巫女: 神に仕(つか)える女性のこと。現在では、神社に勤務する女性職員であったり、正月などの繁忙期は女子高生のアルバイトが務めたりします。

以前のBABYMETALのスカートは真っ赤で、日本人には巫女を連想させるものでした。
「メギツネ」がリリースされた2013年当時のコスチュームは上着が和服であり、より意識的に巫女のイメージを取り入れているように感じられます。

本殿 / 拝殿: 日本の神社には本殿と拝殿があります。本殿は神様がおわす(いる)場所であり、いわゆる「神殿」です。人が足を踏み入れるのは恐れ多いので、その手前の参拝用の建物である拝殿でお参りします。参拝者は拝殿で賽銭箱にお金を入れて、手のひらを2回たたき、手を合わせておじきをし、神様に願い事をします。

神様と『おねだり大作戦』: キリスト教の神様は、自分が犯した罪を告白し許しを請(こ)う存在です。ひとことで言えば、厳格で怖い存在です。
ところが日本の神様は違っていて、願い事つまり「Onedari」を聞いてくれる存在です。日本では神様に「試験に合格しますように」「よい結婚相手が見つかりますように」「商売が繁盛しますように」といった実利的な願い事をしてもよいことになっています。BLACK BABYMETALが『おねだり大作戦』でパパに「アレも欲しい、コレも欲しい」と要求するように。欧米の神様のイメージよりもサンタクロースに近いかもしれません。

こういったことは、日本人にとって当然のことなので、ふだん意識することはありません。『おねだり大作戦』の作詞者も、そういったことを意識して歌詞を書いたとは思いません。歌詞にはパパは登場するものの、神様は登場しません。

しかし、日本人にとって「言うまでもない当然なこと」だからこそ、無意識のうちに作詞やその他もろもろの事柄に反映することはあるでしょう。海外のファンがBABYMETALから感じる「何か」にはきっと、日本人は当然すぎて見逃しているものが含まれていると思います。
日本人の中には、「BABYMETALが、なぜこれほどまでに海外で受け入れられたのかわからない」という声もありますが、「日本人だからこそ気づきにくい何か」が、きっとあるのだと思います。

次ページ『メギツネ』ロケ地を訪ねて・後編

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Note: English pages are coming soon.

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