2017.01.11 韓国 高尺スカイドーム
セットリスト&関連情報
published on 2017/01/12Review
TweetBABYMETALがメタリカのワールドツアーのオープニングアクトを務める韓国ソウル・高尺(コチョク)スカイドームのコンサートが終了しました。ファンカムなどを参考に、セットリストとコンサートのようすをまとめておきます。
2017年1月11日 高尺スカイドーム セットリスト
時間は目安です。誤差があります
No. | 曲名 | 開始時間 | 備考 |
---|---|---|---|
-- | ナレーション | -- | 映像は無しで、紙芝居の 音声のみ約1分間流れた |
01. | BABYMETAL DEATH | 00:00 | |
-- | 神バンド演奏 | 04:53 | |
02. | Catch me if you can | 07:02 | |
03. | メギツネ | 11:51 | |
04. | ギミチョコ!! | 16:56 | |
05. | KARATE | 21:07 | |
06. | Road of Resistance | 26:47 | |
-- | See you! | -- | "See you!"を言い終えた のが34:02 |
動画を見たい方は、こちら。
https://www.periscope.tv/w/1nAJEMRmoRYJL
上の表に記載した時間は、このペリスコープを参照しました。冒頭にナレーションが流れており、上の表の時間に1分5秒を加えたのがペリスコープでの表示時間です。
削除されて動画が見れない場合は、YouTube や Dailymotionなどで BABYMETAL METALLICA KOREA SEOUL Gocheok Sky Dome periscope などのキーワードで検索してみてください。
今回の結果をひとことで言えば、「オープニングアクトとして参加したライブとしては、観客に関心をもってもらうことができたようなので、よかった」ということだと思います。
特記事項として次の5つをあげておきます。
- SU-METALのボーカルが、ばっちり。いつもながら声がよく出ていた。
- ベースがBOHではなく、瀧田イサムだった。
- ライブを淡々と進行させた印象。日韓関係が過去数年で最悪の状況下でのコンサートであり、万一のトラブルを避けるためコール&レスポンス含め発言を最小限にとどめた(ように私には思えた)。
そのためか、(私は)「熱さ」はあまり感じなかった。 - 結局、ライブ中のトラブルはなく、現地の来場者はごく普通に音楽を楽しんでいるように見えた。
- メタリカのステージ開始直前でも観客が少なく(収容人数約22,000人の4割以下か?)、オープニングアクトのBABYMETAL演奏時も会場の広さのわりに観客は少な目だった。しかし歓声は上がっていて終演後の反応もよいように見えた。
ファンカムは撮影位置よって観客のようすが異なり、会場の盛り上がりが大きく違って感じられることがあります。当初公開されたファンカムは後方からの映像が多く、客席の空白が目についたり、観客のノリが乏しいように感じました。しかし、1日~2日たってから公開されはじめた映像はステージ付近や観客の近くで撮影されたものが多く、観客の反応もよかったり、モッシュも起きていたりと、かなり盛り上がっているように見えました。
以上のような状況だったので、「オープニングアクトとして参加したライブとしては、観客に関心をもってもらうことができたようなので、よかった」と判断するわけです。
一部重複する話もありますが、以下にもう少していねいに見ていきましょう。
安定のパフォーマンス
SU-METALは声が裏返った場面が若干あったものの気にならず、声がよく出ていてたいへんよかったと思います。
YUIMETAL、MOAMETALについては現時点ではよくわかる映像が少ないのですが、トータルとして見れば高いパフォーマンスを維持していたと思います。
コスチュームは昨年2016年からの黒いもの。昨年12月のレッド・ホット・チリ・ペッパーズのスペシャルゲストでは"メギツネ"で着物風コスチュームを羽織って登場しましたが、今回はその演出はなかったようです。
オープニングアクトながら今回はステージ両脇の大きなスクリーンが2つ使えました。ライブ中、3人のアップなどがスクリーンに映し出されていました。
しかし、冒頭の紙芝居映像は上映されずBABYMETALのロゴだけが映し出され、会場にはナレーションのみが流れました。
▼2つのスクリーンを使用したステージ

神バンドに助っ人登場
今回の神バンドのメンバーです。
- ドラム:青山秀樹
- ベース:瀧田イサム
- ギター:Leda
- ギター:大村孝佳
すみません、私は瀧田イサムさんという方は、存じ上げていなかったのですが、神バンドに初参加でベースを演奏しました。
当初この日はBABYMETALのスケジュールは空いていたのでベースのBOHとギターの藤岡幹大が仮バンドのレコーディング予定日にしていたところ、急きょ後から今回のライブスケジュールが入ったため、ベースは瀧田イサムが初登場したようです。
2ちゃんねるのリアルタイムの書き込みでは、ベースが「髪がある!」「BOHじゃない!」と、ちょっとした騒ぎになっていました。
瀧田イサムのオフィシャルブログによると、使用楽器はコンバット製TAKITAモデル6弦BASSとのことで、楽器の一致などもあって特定されたようです。
神バンドはメンバー完全固定というわけではないので入れ替わることはありますが、今回は特例に近い助っ人としての出演と言っていいのではないでしょうか。
▼瀧田イサム。ベースにしっぽを付けているのはキツネ様にちなんで、ではなくて、滝田氏の以前からのパフォーマンスだそうです。
▼左:瀧田イサム 右:BOH
▼01:13~01:22がベースのソロ演奏シーンです
BABYMETAL - Catch Me If You Can (4K) @ Live in Seoul, Korea 2017.01.11
淡々と進行
ステージは淡々と進行しました。曲間は4秒以下くらいで次々と楽曲が演奏されました。
コール&レスポンスは最小限でした。3人が「韓国(KOREA)」や「ソウル」といった地名を口にすることはありませんでした。12月のイギリスツアーでは開催地についてコメントしていましたが、今回は無しでした。
"Catch me if you can"の途中でSU-METALが"Are you ready Sky Dome?"と施設名を口にしましたが、地名は言っていません(このページ冒頭のペリスコープの10:20付近)。これまでも施設名だけ言って地名は言わないことがあったので、これはまあ前例あり。
2016年12月のイギリスツアーでは最後の曲を歌い終えた後に、ひとこと話してからメインアクトを紹介していましたが、メタリカの名を出すことはなく、いきなり"See you!"でした。
これは、初のベース奏者だったので進行をスムースにするためシンプルにしたから、とはとても思えず、日韓関係が過去数年間で最悪の状況下でのコンサートであり、不測のトラブルを避けるために発言を最小限におさえた、と見るのがふつうでしょう。
メモとして記しておくと、2015年12月28日の日韓外相会談で結ばれた慰安婦問題日韓合意を韓国側が履行しないことへの措置として、日本政府は長嶺駐韓日本大使と森本釜山総領事を2017年1月9日に日本に一時帰国させました。その2日後のコンサートでした。
会場でのトラブルは無し
事前のネットの書き込みでは、日韓関係の悪化から観客とのトラブルを懸念する声もありましたが、会場ではまったく問題はなかったようです。
ファンカムを見た範囲では、現地の観客は若い男性が多いようでした。ややおとなしい感じだったものの、初めてBABYMETALを目にしてかなり関心をもって熱心に見ている、という印象でした。
またステージ後方ではモッシュも起きていて(もしかするとかけつけた日本人も多かったかもしれませんが)、韓国語の話し声や歓声もたくさん聞こえました。
"See you!"の後の歓声やざわめきからは「おもしろいものを見たねぇ」的な雰囲気を感じました。メタリカを目的に集まった人たちが圧倒的に多い中で、興味や好意的な反応を示した観客が大勢いたことは、オープニングアクトとしては上出来だったと思います。今後につながる反応です。
ファンカムは撮影位置よって観客のようすが異なり、盛り上がり具合が大きく違って感じられることがあります。当初公開されたのはステージ遠くからの映像が多く、空席が目立ったり、観客の反応があまり見えず、盛り上がりに欠ける印象がしました。
しかし、1日2日たつとステージ近くや観客の近くで撮影された映像も公開されはじめ、歓声の大きさや、一部ではモッシュも起きていたことがわかり、おおいに盛り上がっているように見えました。
場所によって印象は大きく異なるし、同じものを見ても感じ方は人それぞれです。
半分まで水が入ったコップを前にして、「半分しかない」と悲観的に見るのか、「まだ半分も残っている!」と肯定的に見るのか。
私は肯定的に見てよいと思います。
日本的印象の強い"メギツネ"は避けたほうがいいのでは、といった不安を書き込んでいるネット民もいましたが杞憂に終わり、普通に演奏して歌い、現地の観客も歓声をあげていたように見えました。
そもそもYouTubeを見ると、BABYMETALのダンスカバー動画をたくさんアップロードしている韓国のファンもいて、"メギツネ"の動画も公開されています。
▼韓国ファン(セミプロ活動?)による"メギツネ"ダンスカバー
[NONAME] BABYMETAL - メギツネ - Megitsune cover
当サイトのテーマではないので簡単に書きますが、政治的な意図をもって発言や行動しようとする一部の人たちと、一般市民の認識は異なっている、ということでしょう。
客の入りは4割程度か?
メインアクトであるメタリカのステージの客の入りがいまひとつで、収容人数約22,000人の4割以下だったのではないでしょうか。
BABYMETAL演奏時も観客の数自体は特別多くはありませんでしたが、それでもドームなのでオープニングアクト終了時に7000人~8000人程度はいたと思います。
チケットは完売で、無料配布が多かったのではないかと書き込んでいるネット民もいました。集客状況については、水曜日平日の開催だったので不利ではあったと思います。その他の要因が、韓国でのメタリカの人気にあるのか、集客方法など他にあるのか、不明です。
余談ですが、会場の高尺スカイドームは、2015年11月にソウル特別市九老区高尺洞(コチョクドン)にオープンした韓国初のドーム球場だそうです。ちなみに高尺洞の「洞」とは、日本の「町」に相当する行政区画のこと。
ネット上を見ると「高尺」のカタカナ表記を「コチョク」としているケースが多いものの、なかには「コチョ」もあるので、「ク」は英語の子音のように弱く発音すればいいようです。
また、高尺スカイドームの公式サイトのアルファベット表記は「G」で始まる「Gocheok」です。ネット上では「ゴチョク」という濁音表記も一部にありますが、「コチョク」と濁らない表記が圧倒的に多いです。
日本語(カタカナ)表記が統一されていないようです。
▼METALLICA & BABYMETAL

最終更新:2017/01/13 15:50
ページ公開後に公表された画像の追加と文字原稿の一部修正をおこないました
by MegaTaro